左官の技術。洗い出しって何だ?
今回は外構、造園工事には無くてはならない『洗い出し仕上げ』のお話。
以前にも1発で仕上げる、洗い出し仕上げのことをブログでは書きましたが、
今回は2発で仕上げる洗い出しの方法です。
で、2発って何?ということですが、簡単に言うと
①発目・・・下地コンクリート
②発目・・・洗い出しコンクリート(仕上げ)
で2回コンクリートを使うので2発と呼んでいます。
1発仕上の良い点、悪い点は
・1回でコンクリートを打つので手間が省ける → 安い
・コンクリートミキサー車で運んでくるので、近くの建材屋さんからしか運べない → 地域によって入っている砂利の色が違う(仕上げの色を選べない)
2発仕上の良い点、悪い点は
・下地から仕上げと工程が増え手間が増える → 高い
・砂利は袋つめのものを持ってきて、現地で練る。 → 仕上げの色が選べる
となります。
じゃあ、階段の蹴上って何?
表題には『階段蹴上の洗い出し仕上げ』となっています。
では、そもそも階段蹴上とは何でしょうか?
簡単に言うと 『階段にある段差部分のこと』 です。
上の写真では二つとも、蹴上の部分はレンガで作ってあります。
この方法は一般的によく行う階段の作り方です。
レンガで段差を造っていって、段差が出来た後にコンクリートを流し
洗い出し仕上げをします。
では、今回の『階段蹴上洗い出し仕上げ』はどのようなものかといいますと。
現在も受け継がれる左官の技術
蹴上部分も踏み面と同じ洗い出し仕上げです。
統一された美しさがありますね。
左官屋さんの話によると、この方法は非常に手間がかかり
高い技術が必要で、現在出来る職人さんも非常に少ないそうです。
今回やってくれた職人さんは、寺社仏閣などの左官工事を過去に相当数行っていて
『自分の腕がなまっていないか確かめたかった』というのもあり、工事を行ってくれました。
腕は鈍っていませんね!!すばらしい仕上がりです!!
職人不足でこれからの外構・造園業、いや建設業界はどうなっていく?
現在、弊社でお願いをしている職人さんは皆、技術もありすばらしい方ばかりなのですが
市場では慢性的に職人さんが不足しています。
調べたところ
建設職人さんの数は1997年の685万人をピークに2012年は503万人になり
15年前に比べて約1/4減っていることになります。
正直、やばいですね。
いくら良い図面を書いても、造ってもらえないんじゃ意味が無い。
外構のアルミメーカーなどはそれを見越してか、短工期で比較的簡単に仕上がる商品を
次々に開発していますが、それだけで本当に良いデザインが生まれてくるとは思えません。
このままでは、蹴上の洗い出し仕上げなんて夢のまた夢。
技術が死んでしまう。
とても大きな問題で、我々が直ぐに解決できるとも思えませんが
何とかしなければ、我々も存在している意味がなくなります。
解決方法考えないといけませんね!我々にも出来ることがあるはず!!
また、何が出来るか考えて書きたいと思います。