タイルの宝石箱や~ 世界のタイル博物館 2014-12-10

INAXラブミュージアムにある世界のタイル博物館 再現されたイスラームのタイル張りドーム天井
INAXラブミュージアムにある世界のタイル博物館 再現されたイスラームのタイル張りドーム天井

さて、先日の「タイルとトイレの歴史を学ぶ INAXライブミュージアム」の続きです。


前回はトイレがメインのお話になってしまいましたが、本当はこちらがメインです。

ここにくれば世界のタイルの歴史がわかります。

その奥深い世界を少しでもご紹介できれば嬉しいです。

1Fは常設展示「装飾する魂」

世界のタイル博物館入り口 イスラムの青が再現されたタイルで作られたゲート とても美しい青だ
世界のタイル博物館入り口 イスラムの青が再現されたタイルで作られたゲート とても美しい青だ

前回も書きましたが、今回の訪問ではINAXライブミュージアムの館長さんが、ずっと一緒に案内してくださいました。

本当に素晴らしい案内で、私のタイル知識は相当増えました。


今回はおさらいの為にもリポートさせていただきます!!

青い入り口を入ると装飾壁の原点 メソポタミアのクレイペグによって作られた壁がお出迎え
青い入り口を入ると装飾壁の原点 メソポタミアのクレイペグによって作られた壁がお出迎え

まず先ほどの青いゲートをくぐると、タイルの原点となったと言われている「クレイペグ」で作られた壁空間へ。

こちらのクレイペグは名前のとおり「クレイ」=「粘土」の「ペグ」=「止め釘」で有りまして先端が細くなっており、

これを使って建物の壁を美しく装飾しようとした、いわばタイルの原型と言うことです。

クレイペグの断面 円錐形の細い先端が壁に刺さるようにして壁を装飾している
クレイペグの断面 円錐形の細い先端が壁に刺さるようにして壁を装飾している

何とこのクレイペグは5500年前からあったそうで、これを使ってメソポタミアのウルク地区の人々は

実際に壁を装飾していたそうです。凄い。まさにタイルのはじまり。


そして、更に凄いことは、このクレイペグはここINAXライブミュージアムで手作りで作られたそうです!!

さすが参加型のミュージアム!!

世界最古のタイルはエジプトのピラミッドの中にあった!!

世界最古のタイルはエジプトのピラミッドの中にあった!!
世界最古のタイルはエジプトのピラミッドの中にあった!!

そして次の空間は世界最古のタイル紹介。

何と、ピラミッドの中で発見されているそうです。


この扉は世界最古のピラミッド、ジェセル王の「階段ピラミッド」の地下にあるものの復元です。

ブルーは命の色であり、王の復活を願い作られていると言うことです。

タイル見に来たらピラミッドが出てきました。すごい。

イスラームのドーム天井

INAXにて復元されているイスラームのドーム式天井 復元度合いが美しすぎます
INAXにて復元されているイスラームのドーム式天井 復元度合いが美しすぎます

そして次はイスラムタイルの歴史へ。


タイルの歴史はイスラムの歴史と言っても過言ではないと館長さんが仰っていました。

そのために入り口もイスラムのブルーのタイルで作ってあると。


それにしても凄いのは、このドーム天井に張られたタイル。

全て計算しつくされて作成され、はってありました。

実はイスラムの作り方は、タイルを一枚一枚壊しながら調整してはっていく方法。

そうしてこのドーム上の空間を張り上げる。

それも凄いと思いましたが、ここではそれを計算して作って、切り物の無いように施工する。

日本人はどこまで凄いんだ!!

住まいに登場したオランダタイル

幅木に使われたオランダタイル フェルメールの絵の中にも登場する
幅木に使われたオランダタイル フェルメールの絵の中にも登場する

1830年頃から一般家庭にタイルが普及し始めます。

こちらはオランダのタイル。

それまでは、中国(景徳鎮)と日本の焼き物(有田焼)がヨーロッパを席巻していたらしい。

(ここはメモれなかったのでもし違っていたらごめんなさい。)

その模倣をしてこのようなオランダタイルが作られたようです。

それにしても産業革命って凄いですね。

その頃の日本は、大塩平八郎の乱が起こっていた頃です。

イギリスではビクトリアンタイルが室内を美しく装飾し始める

そしてイギリスでも産業革命によりタイルが流行し始めます。

ビクトリアンタイルの特徴は、工業化により大量生産が出来る様になった事で

複雑な模様の物を大量に作る事が可能になったという事。



入り口の下にあったタイル 確かビクトリアンタイルだったと思います
入り口の下にあったタイル 確かビクトリアンタイルだったと思います
イギリスのタイルの張り方 目地が通っていない 日本の職人さんは本当に素晴らしいです!!
イギリスのタイルの張り方 目地が通っていない 日本の職人さんは本当に素晴らしいです!!

また、館長さんがお話ししてくれましたが、イギリスのタイルの張り方は日本とどこかが違います。


決定的な違いは目地をとらないという事と、目地を通さないということ。


日本では目地が全てという感覚が職人さんにもデザインする方にもあり

目地が通ってないなんてあり得ないくらいの感覚があります。


イギリスに居た時は本当におおざっぱな国だなあと思っていましたが、これは地震が無いため

目地を緩衝部分としてとる必要が無い国だから、おこる事だったんですねえ。

でも、目地は通した方が奇麗ですけど。


また、新事実として外で使う外装タイルというのは日本以外では殆ど使われていないと言う事。


これには本当に驚きました。確かにヨーロッパではタイルより積みレンガですね!!

今では、中国や韓国でタイルが真似をして使っているそうですが

外装タイル文化はほぼ日本が発祥という事らしいのです。

これには本当に驚いた!!日本凄い!!その歴史を作ってきたINAXも凄い!!

イギリスのトイレは今でも木製の便座です これには正直泣きました
イギリスのトイレは今でも木製の便座です これには正直泣きました

そういえばこれ。イギリスのトイレですが、今でも便座が木製の所がけっこうあります。

僕が住んでいた家も木製で、かなり泣きました。


トイレはやはり日本が最高最強です!!シャワートイレ最高!!

日本のタイル モザイクタイルは日本が凄い

小さい四角タイルを組み合わせて絵柄を作る日本のモザイクタイル この技術はほかには無い
小さい四角タイルを組み合わせて絵柄を作る日本のモザイクタイル この技術はほかには無い

そして日本です。ほかにも沢山紹介できる事は有ると思うのですが、イギリスの展示の次はこの日本の

モザイクタイルの空間でした。

日本の四季を表現しています。


イスラムのモザイクタイルの様に、海外のモザイクはタイルを割って絵を作るのですが

日本はこのように小さいタイルを組み合わせて図柄を作ります。


どうやって作るのでしょうねえ。聞いておけば良かったなあ。

昔は手作業でやっていたみたいですが・・・

こんな素敵なモザイクタイル一度使ってみたい!!
こんな素敵なモザイクタイル一度使ってみたい!!

常設展はいつでも見られます。

 

お値段は大人600円です。子供は200円。詳しくはこちらのINAXライブミュージアムの

ウェブサイトへ。

 

おすすめは館長さんの説明。

素晴らしく分かりやすく、面白い。

なかなか館長さんから説明してもらえないと思いますが、スタッフの方もこれくらいはやる

と語っておられましたので、是非聞いてみてください。

 

ほかにも沢山見所があるのでもっと書きたいですが、長過ぎるので

今回はこれまで。

 

 

次回は、INAXライブミュージアムで気になったオリジナル庭アイテムです!