本日は、外構やお庭で使われるフェンスについて書きたいと思います。
フェンスと言っても、実は凄く沢山の種類があり、選ぶのが難しい。
本日は、そんなときのお助けになるブログにしたいと思います。
(上の写真は、木製フェンスですが、今回はアルミメーカーのフェンスについてかきます。)
そもそもフェンスって何だ?
そもそも、フェンスって何なんでしょう?深く考えてみると良くわからない・・・
そこでググってみたのですが、ウィキペディアにはフェンスの項目はありませんでした。
(似た項目として{柵}が出てきましたが、柵なのかな?)
そこで、検索のトップに出てきたのがエクステリアのトップメーカー『LIXIL』のフェンスに関するページ
だったのでこちらをチェック。
すると、
フェンス、スクリーンは、隣地境界に設置して敷地の境界を明らかにするだけではありません。
門扉や車庫前ゲートとコーディネートしたり、庭の植栽を美しく見せるものや環境に配慮できるフェンスを選ぶことで、
街並みを心地よく整える役割もあります。もちろん、プライバシーを守ることや防犯も大切なポイントです。
と、書いてありました。
なるほど!
ここから、わかるフェンスについてのことは
・境界を明らかにする
・主にクローズ外構においてフェンスを作るが、門扉などとあわせてコーディネートもできる。
・庭の植栽を美しく見せるための役割がある
・環境に配慮できるフェンスがある。
・街並みを心地よく整える役割もある
・プライバシーを守る(目隠し)の役割がある。
・防犯できる
と、沢山わかりました。
お家があれば、大抵一箇所くらいは付いているので、何気なく見かけるフェンスですが、
これだけの役割があったとは!
どんな種類のフェンスがあるの?
上で明らかになったフェンスの役割。
沢山あって迷いますが、これらを満足させる為のフェンスはどれくらいあるのでしょうか?
気になったので、LIXILのカタログに何種類のフェンスがあるか数えてみましたところ
139種類!!(数え間違えてたらごめんなさい。)
多すぎ!!常々多いと思っていましたが、これ程多いとは・・・驚きました。
LIXILだけでこの数です。他のメジャーメーカーの三協、YKK、四国あわせたらとんでもない数になります。
これでは、多すぎてお客様は選べませんね。
そこで、まずはフェンスの大まかな括りを説明させていただきたいと思います。
(今回は多すぎるのでLIXILのフェンスだけで説明します。LIXILさんには画像使用許可を頂いていると言うのもありますが・・・)
① アルミ形材フェンス
② アルミ鋳物フェンス
③ スクリーン
④ 和風竹垣フェンス
⑤ 樹脂系フェンス
⑥ スチールフェンス
LIXILのカタログからは、このような感じで分けることが出来ます。
しかし、分け方は『素材』と『機能』とが混ざっていますので少々わかりにくい。
以下から一つ一つ説明をいたします。
①アルミ形材フェンス
アルミ形材(かたざい)フェンスはフェンスの中で最もスタンダードで、一番多く使われているのでは
無いでしょうか?
形材というのは、押し出し整形という技術を使って作ったアルミの材の事で、
アルミの加工の際、形にアルミを押し込み整形していくものです。
このフェンスも断面は中が空洞になっています。
押し出しという技法の為、複雑な形を作るというよりは、柱や面等の四角い形を作ると言った場合に
使われ、最も使う縦格子フェンスや、目隠しフェンス等もこの形材フェンスです。
② アルミ鋳物フェンス
こちらのフェンスはアルミを型に流し込んで作るタイプのフェンスです。
押し出すタイプの形材とは違い、型に流し込む為、複雑な形のフェンスが作成可能です。
主に使われるのは、洋風のデザインフェンスで写真のようなタイプ。
ロートアイアンに似たデザインのアルミ鋳物フェンスがあるので、
私もラフィーネフェンスはよく使います。
しかしながら、LIXILの鋳物フェンスも他メーカーの鋳物フェンスもデザイン的には
かなりこてこての洋風。本当にヨーロッパなら使える気がしますけど、今の日本では・・・?
もう少しデザインを考えて頂いた方が良いかと思います。
③ スクリーン
スクリーンとなっていますが、別にここに映画を映し出す訳ではありません。
日本のエクステリアメーカーさんでは普通のアルミ形材フェンスより背の高い目隠しが出来る位の
高さのフェンスをスクリーンと呼んでいます。
先日書いた目隠しフェンス等の背の高い物もこの辺りに入ってきます。
形材で出来ていて、アルミ多段フェンス等は約2.8mの高さまで対応可能。
スクリーンは一般的に背が高いので、風圧や自重などの影響を受けやすいので基本的には
ブロックの上への施工はNGで独立基礎施工になります。この辺も、重要ですよね。
④ 和風竹垣フェンス
LIXILでも和風の竹垣フェンスは売っているんですね。この辺りの商品は、お庭メーカーの
タカショーやグローベンなんかが強いので、あまり気にした事が有りませんでした。
最近は、めっきり和風のお庭をやる事が少なくなったのであまり見た事が無かったですが、
やはり純和風のお庭に竹垣は欠かせません。
素材はASA樹脂という樹脂で出来ているようです。
この樹脂は耐光性、耐候性に優れているらしいので屋外での製品に使われる事が多いようです。
⑤ 樹脂系フェンス
15年くらい前に来た『ガーデニングブーム』では、こういったラティス型のフェンスに人気が出て
かなりよく使った記憶が有りますが、その当時のフェンスはほぼ全て木製。
今は間違いなくガタガタになっているはずです。
その代わりに登場したのが、この樹脂系フェンス。木粉入りの樹脂で出来ているようなので
今使われている、人工木デッキの材料と同じと思われます。
これならば、あまり悪くなったりもしないと思いますが、今これを使う事は少ないですね。
あと、驚いた事に天然木のフェンスはもうリクシルでは売っていないんですね。
時代を感じますねえ。
⑥ スチールフェンス
こちらの素材はスチール。すなわち『鉄』です。
鉄に樹脂(だとおもうのですが)が被覆してあります。
アルミと違って、鉄は酸化しやすいのでこのような処理がしてあります。
作り方は確か、鉄のフェンスを樹脂の中にどぼんと漬けて取り出すみたいな感じだったと思います。
このスチールフェンスの特徴は何と言っても値段。安いです。
しかしながら、被覆が上手く出来ていない部分や加工して設置した場合等に
錆がどんどん出てくる。
H=800の汎用フェンスの場合は、アルミ形材でも安い(大量に出荷されるため)ですが
H=1200等になると、こちらのスチールフェンスが安い。
経済性に長けたフェンスです。
最終的にフェンスを決めるにはどうすれば良い?
大まかに分けた種類だけでこれだけ有るのに、実際の商品はもっと存在します。
私も、設計する場合にフェンスを選ぶときは、これらのフェンスの特徴を頭に浮かべ
設計していますが、実際お家に住むのはお客様です。
一番大切なのは住まわれる方が、どんなものを求めるかです。
そのため、私はプラン前にお客様にとってどのようなフェンスが合っているかを
様々な質問(目隠しが良いのか、デザイン性が有る方が良いのか、高さが有る方が良いのか等)を
しながらお聞きします。
ここが、良いプラン、デザインになる為に最も大切なポイントです。
(フェンスだけのお話ではないですが・・・)
カタログを渡して、『ここから選んでください』なんて事を言うデザイナーはデザイナーではありません。
ご注意くださいね。