名古屋市東区の日本庭園 徳川園で見つけたソテツの冬囲いの違い 2015−2−24

春間近の徳川園でソテツの冬養生の違いをみつけました
春間近の徳川園でソテツの冬養生の違いをみつけました

本日は、東京から友人が遊びに来たので、午後から少し時間を作って

名古屋市東区にある徳川園に行って来ました。

こちらの徳川園。名前からすると、とても由緒正しい感じがしますが、やはり名前の通り

由緒正しい庭園です。

今日は春の陽気でしたが、まだやはり2月。

そこまで、花も沢山は咲いていませんでしたので、私が新しく発見した『ソテツ』冬養生の

仕方の違いについて書きたいと思います。

ソテツとは?

ソテツ Wikipediaより画像をお借りしました
ソテツ Wikipediaより画像をお借りしました

皆さん、ご覧になった事も有ると思います。こんな感じの植物です。

イメージとしては南国。学校にも植わっていそうな感じですね。

私も、職人時代に学校の手入れの際、このソテツを『コモ』と呼ばれるシート状になった藁を

幹や葉に巻き、冬の養生をしておりました。


この養生。めちゃくちゃやりにくいです。とても痛い。

問題は葉っぱの先端が凄く尖っていて刺さる。

また、幹も何かとげとげが有ります。

なれてくると出来る様になりますが、それでも素手での作業は厳禁です。

普通に血が出ます。


やり方としては、まずは葉っぱをシュロ縄等で元から縛っていきます。

元、真ん中、先端と行った感じに順番に縛ります。

(これが上手く出来ないとコモも巻けません。)

そうしてから、コモで巻いていきます。


で、私は一番上にのせた写真の様に、幹にそってぐるぐると巻いておりました。


これが一般的かなと思いますが、こちらの巻き方の説明は


『名古屋 徳川園』と記述が有りました。

ソテツの冬養生 コモも巻きの仕方 名古屋 徳川園
ソテツの冬養生 コモも巻きの仕方 名古屋 徳川園

私は修行を関西でしたのですが、それほど変わりませんでした。

多分、一般的なスタンダードなやり方なのでしょう。


しかし、今回驚いたのは別のやり方が有った事です。

東京 池田山公園風

ソテツの冬養生 こもの巻きの仕方 東京 池田山公園風
ソテツの冬養生 こもの巻きの仕方 東京 池田山公園風

頭に何かかぶっています。面白い!!かかしみたいですね。

頭にちょっと飾りがあるだけで、妖怪の様にも見えます。


ところで、池田山公園てどこ?

と思ったので、調べてみましたら品川区の東五反田にある、とても確りした日本庭園でした。

まだまだ知らない庭園が有りますね。

都内有数のパワースポットと言う事で、来場者が急増中との事。

行ってみたいなあ!

東京 浜離宮恩寵庭園風

ソテツの冬養生 こもの巻き方 東京 浜離宮恩寵庭園風
ソテツの冬養生 こもの巻き方 東京 浜離宮恩寵庭園風

妖怪度が増しました。見た目は、先ほどの池田山公園風と殆ど変わりませんが、

巻いてある縄が『シュロ縄』です。

黒い縄を巻くだけで、これだけ違う。

先ほどのが目玉の親父だとすると、こちらはキタロウくらい違う気がします。


ここで、一つ気になったのが根元の養生の仕方です。

藁がしっかりと、地面に対して円形にはってあります。

また、それを止めるシュロ縄もちゃんと星形をしています。

このような細かい所ですが、ちゃんとやればしっかり見えてくる、

これは、一つ勉強になりました。

京都 二条城庭園風

ソテツの冬養生 コモの巻き方 京都 二条城庭園風
ソテツの冬養生 コモの巻き方 京都 二条城庭園風

更に派手になりました。

感じ的には、笠をかぶっているみたいですね。

これは、もしかしたら頭の方だけ巻いて、だんだんと上げていけば作れそうなので、

コモを巻く回数が減りそうですね。作り方が楽になるかも知れません。


日本庭園の冬支度と言えば、金沢の兼六園で行われる『雪吊り』なんかが有名ですが

このソテツの養生は、全国的にやっているのではないかと思います。

日本の冬の風物詩のはず・・・


今では、冬も昔程寒くないので、この養生をしていないソテツも有ると思いますが、

これだけのバリエーションが有れば、毎年違ったように変えていけます。

ちょっとした楽しみにもなるかも。


日本の庭園文化は世界に誇れる物の一つです。


しっかりと、後世に残していきたいですね。