ショッピングモールの事例から外構における植栽の大切さを学ぶ 2015−3−13

アメリカのショッピングモール モールによって違うだろうが、夜9時を過ぎても車がいっぱい
アメリカのショッピングモール モールによって違うだろうが、夜9時を過ぎても車がいっぱい

皆様こんにちは!名古屋市守山区で外構と庭の専門店をしている、イギリス帰りのガーデン&エクステリアデザイナー『ガーデンドクター柴ちゃん』がお送りする柴ちゃんブログ。

今回は植栽のお話。我々お庭や外構を作っている業者は、工事の最後に植木を植えます。

私も、最近は初めから大きな植木を植える事が多くなって来ましたが、今回はアメリカの

ショッピングモールと日本のショッピングモールの違いから、改めて植木の大切さを考えてみたいと思います。

アメリカのショッピングモールの植木はとにかく大きい

アメリカのモールは店舗部分は1Fだけなのに建物の背が高い アメリカ人に大切な水場も完備
アメリカのモールは店舗部分は1Fだけなのに建物の背が高い アメリカ人に大切な水場も完備

アメリカのショッピングモールの植木はとにかく大きいです。

日本とは気候が全く違うので、当然植えられる植物や生育の違いも有るでしょうが、

一本一本がものすごく大きい。

定番のヤシの木は大体店舗の高さと同じくらいの背丈が有る。

植えますにすっぽり入ってしまうくらい大きな幹周のヤシの木
植えますにすっぽり入ってしまうくらい大きな幹周のヤシの木
ライトアップも凄いがこれだけのヤシを新しいモールでも植えてしまうのが凄い
ライトアップも凄いがこれだけのヤシを新しいモールでも植えてしまうのが凄い

現地のガイドさんによると、アメリカではこれくらいのヤシの木は沢山あるそうで、買っては

ばんばん植えていくそうです。また、このカリフォルニアの植栽として定番のヤシの木はある秘密が有るそうです。それは、大きな実がならない事!!

 

ヤシの木と言えば、割って中の実からジュースを飲んだり、オイルをするイメージが有りますが

ある理由から、小さい実がなるヤシになったそうです。その理由は『訴訟』。

大きなヤシの実が落ちて、通行人にけがをさせたら大変なので、品種改良を重ねて

小さい実がなる様にしたそうです。

まあ、確かに大きなヤシの実が落ちて来たら死んでしまうかもしれません。

さんさんと太陽の光を浴びるヤシの木
さんさんと太陽の光を浴びるヤシの木
イメージとずいぶん違うヤシの実 ちいさい
イメージとずいぶん違うヤシの実 ちいさい

それに比べて日本のショッピングモールの植木は小さい

日本のショッピングモールは植栽もコンパクトだ
日本のショッピングモールは植栽もコンパクトだ

当然場所にもよるでしょうが、日本のショッピングモールの店舗は背が低い気がします。

無駄な物を作らない日本人の気質というのも有るでしょうが、アメリカのモールに比べると

こじんまり感は否めません。

フードコート前には一部植栽スペースも有るがせいぜい3mの高さの植栽 フードコートを超えんばかりの植木は無い
フードコート前には一部植栽スペースも有るがせいぜい3mの高さの植栽 フードコートを超えんばかりの植木は無い

こちらの写真にも、少し花壇が映っていますが隣のパラソルと同じくらいの高さですね。

大体3mくらいでしょうか?また、植栽を選ぶ基準もゴールドクレストを選んでいるあたりで

プロからすると『?』マークが付いてしまいそうです(今は倒れるので、殆どプロはゴールドクレストを植え無い気がします)。

こちらの植木は大きいが、量的には少ない気がします
こちらの植木は大きいが、量的には少ない気がします

この上に映っているコニファーはおそらく『ピセア・プンゲンス グラウカ』だと思います。

昔は、これほどの大物ならば、珍しい品種なので、もの凄い高額な値段がついていました(10年前)。

でも、数が少ないので今も高価だと思います。

こちらの写真も、ちょっと寂しい感じがありますね。

 

あと、植え込みスペースの事を最初から考えていない様に見えます。

広場があって、一本だけ大きな木を植える。

その他はスペースが無いからとりあえず鉢植え。

  

それに比べて、アメリカのモールにある植物はスケールが違う。

もしかしたら、小さい時から育てているかもしれないが、基本は移植をしているはずです。

 

となると、やはり重要なのは植物の量と大きさ(背の高さ)

 

これらをデザインよく配置してあげると、見た目にも凄くかっこいいもになります。

 

実は私も、最近は大きな植木を初めから植え込み等に入れています。

 

そうすると、空間の完成度が飛躍的に高くなります。

 

日本も、ショッピングモールだけでなく、個人の家でも初めから

大きな植物を入れる取り組みを進めていけば、豊かな環境になる事間違い有りません。