外構に植えた植木が枯れた原因を探ってみた 2015-5-7

新緑が美しい季節 植物も水が必要になる季節です この季節は枯れる植物も出てきます
新緑が美しい季節 植物も水が必要になる季節です この季節は枯れる植物も出てきます

本日は、守山区で外構・造園の設計施工をさせて頂いたお客様から『植木が枯れてしまった』という連絡を頂きましたので、植木を交換するべく、植木屋さんと一緒に行って参りました。


そこで、そこでふと、『植木が枯れた原因は何だろう?』と思ったので、探ってみました。

まずは植木の枯れがいつから起こったのか時系列で確認

まずは、植木の枯れがいつから起こったのかを時系列で確認していきます。


植木は株立ちの『シラカシ』。常緑の高木で日向、日陰どちらにも適応する目隠しに最適の植木です。

そのシラカシの幹の一本が12月にご連絡を頂いたときに枯れていました。

12月に株立ちの一本が枯れる しかし、幹は死んでいなかった
12月に株立ちの一本が枯れる しかし、幹は死んでいなかった

しかし、正確に言うと葉は枯れているが幹は生きている状態。

完全に死んだかというと、まだ25%位は生きている感じだと思います。


ですが、良くないのが、この葉っぱの状態です。

枯れたまま、枝に付いています。


こうなった状態ですと、この幹は殆ど再生不可能。

状態のよい植木だと、自分で葉をおとします。それは、次に葉を出す為の準備であることが多いです。


よって、この時はこの幹は再生する事が無いと判断して、切断しました。

しかし、幸いな事にこのシラカシは株立ちだったため、一本切ってもまだ植木として成り立ちます。


春になって、下から伸びる物があればそれが代わりになります。

そう願って、いったん様子を見てもらいました。

4月に再度連絡を頂いたときには完全に葉っぱが枯れていました
4月に再度連絡を頂いたときには完全に葉っぱが枯れていました

しかし、4月に再度連絡を頂いたときには完全に葉っぱは枯れてしまいました。


この状態になると、ちょっとやそっとでは再生できません。


こうして、シラカシの植え替えを決定しました。

シラカシが枯れた原因を探る

それでは、何故シラカシは枯れてしまったのでしょうか?


考えられる原因をいくつか挙げてみたいと思います。

①植え付け時期が悪かった

こちらの植栽は全て、10月に入り気温が涼しくなったときに行いました。


柴垣グリーンテックでは、基本的に真夏(梅雨明けから9月のお彼岸まで)は植栽工事を行いません。

気温が高いと植木屋さんから現場まで運んでくるだけでも、かなり植木が弱ります。

そのため、植木を植えたときの活着率が相当下がるので、枯れ死、生育不良になる可能性があがります。


せっかくの植木がそのような状態で植えられるのは、お客様にとっても良くない事ですし、

何より植木がかわいそうです。


しかし、今回は10月に行っているのでそれはありませんし、何より、これ以外の植木が一本も枯れていませんので、可能性は低いと思われます。

②植え付け場所が適さなかった

今回植えたシラカシは日陰、日向どちらでも育ちやすい樹木です。また、環境的には2/3くらい日向なので

シラカシにとっては非常に育ちやすい環境だったと思います。

よって、この可能性も低いと考えられます。

③植木の土壌の性質や排水性が悪かったため根腐れを起こした。

土壌の性質や排水性が悪いと根腐れを起こしてかれてしまう場合がある
土壌の性質や排水性が悪いと根腐れを起こしてかれてしまう場合がある

植木は植え付けた土壌が粘土質で、植木が酸素を取り込めない状態だったり、土壌排水性が悪く、根の部分に水がたまってしまったりすると、根腐れという状態をおこし、植木が枯れます。


今回、植え替え時に根鉢を掘り起こした所、植え付けた周りの土は植え付けように用意した山砂である事

が確認されました。しかし、鉢に元々付いていた土が粘土質。ちょっと珍しいケースですが、シラカシは

それほど土壌も選ばない健強な樹種である為、こういう事も起こりえます。

そう考えると、土質が悪いところから良い所へ出て行こうとする事になるので、

植え付けた土のせいでは無いような気がします。


また、底は粘土ではなく適度は排水性を備えた土であった為、根腐れの可能性も

低そうです。


しかし、肝心の根は黒くなってしまって、全く新しい細根を発生していませんでした。

根が悪くなっていたという事実は発見できましたが、それがどうして悪くなったのか?

それがまだ分かりません。

④植え付け時に根鉢が揺すられて、土と根が離れてしまった

これは、無いとは言えない問題です。

どんな植物も、根っこがあり、その周りに土をつけています。

そして、その土ごと植え付けをします。


この植え付けのときに、何らかの衝撃が根鉢に加わって、根鉢の土と根が離れ、そのとき生きていた

細根を切断するという原因です。


これは、どの植木にも言える事ですが、100%無いとは言えません。

植木屋さんも最新の注意を払っているのですが、植木を動かす以上どうしようもない。


この理由で枯れた時は、殆どの場合原因が分からない事が多いです。

⑤病害虫による成長の阻害により枯れた

植木は、移植する際にとても力が弱ります。


貴重木や古い樹木の場合は、何年もかけて『根巻き』をあらかじめ行っておく場合もありますが、

今現在の植木屋さんが持ってくる植木で、このようにあらかじめ根巻きされた物はとても少ないです。

2年後の移植の予定など読めませんから。


そのため、移植の間際に畑から堀りとって、移植できる様に根巻きし、持ってくる。

そうした植木は、根を切られて体力がかなり落ちます。


このときに、病害虫の影響を受けやすくなります。


今回ももしやと思って探してみた所・・・

何かの幼虫 黄金虫やカミキリムシの場合が多いです
何かの幼虫 黄金虫やカミキリムシの場合が多いです

いらっしゃいました。


どちらかの幼虫さんです。

もしかしたら、これが原因かもしれませんが、ぱっと出て来たのは2匹。

探せばもっと出て来たかもしれませんが、2匹ならば許容範囲内かもしれません。

枯れの原因が特定できない

正直な話、今回の場合は枯れた原因を特定できませんでした。


上の項目のどれも当てはまらない気がしますし、(もしかしたら)全て当てはまるのかもしれない。


そう、原因は一つではない可能性もあるのです。それぞれが複合的に絡み合って、結果的に枯れてしまう。


私の知識が少なく、分からないだけかもしれませんが、これまでの経験上、原因はこれだ!!と

特定できている方が少ない気がします。


本当の事をいうと、今回のシラカシもまだ完全に死んでいる訳ではないのです。

枯れたシラカシの幹を爪で削ってみると、まだ緑色をしている事が分かる まだ生きていて、完全には枯れていない
枯れたシラカシの幹を爪で削ってみると、まだ緑色をしている事が分かる まだ生きていて、完全には枯れていない

シラカシの幹を爪で削ってみます。

すると、幹がまだ緑色をしています。これはまだ生きているという事を表しています。

もしかしたら、このシラカシも復活する可能性はあったかもしれません。

しかし、それはごく少ない確率です。

多分枯れてしまいます。


このような場合は、とても残念ですが、植えかえとなります。


植物にお付けしている『枯れ保証』制度

今回の場合は植え付けてから1年以内に枯れたため、『枯れ保証』を適応して交換させて頂きました。


柴垣グリーンテックでは、お引き渡しから1年以内に枯れてしまった場合に(高木と低木に一年間に一回限りの交換)『枯れ保証(かれほしょう)」をお付けしています(天変地異は保証外)。


今回の様に、原因が分からず枯れてしまう場合や、お客様に何の落ち度も無い(水やりしないとかは駄目です)のに

枯れてしまうというケースが植木には起こりえます。


それは、植物は物では無く生き物だからです。

 

よく考えてみると、植木は命あるもの 、病気だってしますし、命を落とす事もあるのです。

本当は植えた植木が皆元気に育ってくれるのが一番嬉しいのですが、生き物である限りどうしても

起こってしまう事がある。


その為に、枯れ保証をおつけしています。


でも、実は最近、枯れ保証の植え替えが少ない気がします。

私の、引き渡し時の植木管理の説明がお役に立っているのか?それとも、私の説明が必死なので

お客様も必死になってくださっているのか??


嬉しい事です。


しかし、今回のようなケースも当然起こりますので、その場合はお気軽にご連絡下さいね!!