先ほど、名古屋の港区を車で走っていた所、神社がありました。
お社に布が掛けてあり、『そろそろ秋祭りだなのかな?良い季節だなあ。』と思っていたのですが、ふと目線を入り口に持って行くと、見慣れない光景が。なんだ?とおもってよく見てみると・・・
壊れないように金属で囲われた灯籠のある神社
こちらは、名古屋市港区正徳町にある秋葉神社。
初めは、お祭りの為の飾りかなにかをしてあるのかな?と思ったのですが、ガーデンドクター柴ちゃんは『ハッツ!!!』と一瞬にして気がつきました。
『あれは、安全の為にやってある柵だ!!!』
このような方法は、正直言って初めて見たので、一瞬何か分かりませんでした。
しかし、こうしてしっかりと見てみると安全柵である事が分かります。
このように灯籠の足元に金属の柵を固定して囲うとどんなメリットが有るでしょうか?
ガーデンドクター柴ちゃんが考えるに、
①子供が登って遊んだりしないので安全
②地震で揺れて、それぞれのパーツが落ちても、(柵が壊れない限り)柵の中に落ちる可能性が高いので安全
③猫等の小動物が登りにくい
これくらいでしょうか?主に安全の事ですね。
実は今リフォーム工事をさせて頂いているお客様の家にも灯籠が有りましたが、やはり危ないという事で撤去する事になりました。
確かに、この方法ならば普通に立っているだけの灯籠に比べて格段に安全です。
しかし、デメリットも考えられます。
①灯籠だと分からない
②掃除が出来ないので落ち葉や汚れが溜まりやすい
この二つくらいでしょうか。
でも、①の灯籠だと分からないというのは致命的な事かもしれません。
これだったらもう無くて良いという事になりかねませんよね・・・
でも、そんな事言ったら日本から灯籠文化が無くなってしまう・・・これはお庭屋さんにとっても一大事になってしまいます。
灯籠はただ『据えるだけ』が正しい作法
では、ここで元に戻って、日本の石灯籠はどのように据えるのでしょうか?
答えは『ただのせるだけ』。
そうです。この灯籠もただのせてあるだけ(自分が据えた訳ではないので分かりません。たぶんですね。)。
灯籠の大きさは色々ですが、実は一つの物では無く、
台座、竿、中台、火袋、笠、宝珠と大まかに6つのパーツに分かれます(絵が無くてごめんなさい。また後でたしておきます。)。
これを下から順番に据えて行きます。
最も大切なのが一番下の台座を据える事。
これがしっかりとフラットでないと、上に行く程傾きが大きくなって行きます。
しかし、灯籠の素材は石。新品ならば断面もフラットで据えやすいかもしれませんが、古いのを新たに据える場合などは、石の経年変化や欠け等もあり据えるのも一筋縄では行きません。
そんな時は、鉛の板や硬貨を使って隙間の調整をし、パーツの一つ一つをしっかりと水平に据えて行きます。
ここで、思うのは『セメント使えば良いのでは?』と言う考え方。
確かに、セメントを使えば一つ一つのパーツがくっ付き、据える調整もしやすいと思いますが、これは石灯籠を据える上での最大のタブー。
何故かと言うと『商品価値が下がるから』。石灯籠は石である事にその存在意義が有るので、セメントがついていると価値が下がります。まあ、セメントがくっ付けば完璧に奇麗に取れる事は無いので、それもうなずけます。
日本全国の造園屋さんがこの様にやっているかは分かりませんが、私が教わったのはこのやり方でした。
しかし、そうなると地震対策など出来る訳は有りません。
では一体どのようにすれば良いのでしょうか?
鶴岡八幡宮のステンレスの灯籠
ガラスやステンレスで作る。
正直言って、この二つを見た時はガーデンドクター柴ちゃんも凄く驚きました。
しかし、こうした新しい素材で灯籠を作って行けば、地震の対策はきっと出来ると思います。
また、どこかで見た事が有るのですが、石灯籠の中に一本鉄で作った芯の様な物をいれて、その鉄芯に一つ一つのパーツを刺して行く方法(ガーデンドクター柴ちゃんが勝手に“串刺し法”と名付けます)や、それぞれのパーツを鎹(かすがい)でくっつけていく方法(この鎹法はパーツむき出しになるので奇麗じゃないですが・・・)などもあったとおもいます。
地震大国日本。
こうした事を真剣に考えて、新しい物を考えたときに、日本庭園も新たなる進化の時を迎えるのかもしれません。
ガーデンドクター柴ちゃんは昔ながらの和庭園も大好きですが、今までに無い全く新しい日本庭園を作ってみたいという願望もあります!!!
『唯一変わったのは、その全て』
Iphone6Sの広告みたいになってしまいましたが、考えただけでどきどきワクワクしますね!!!