今回は設計のお話です。前に一度、『私なら絶対しない、こんな設計(割れるコンクリート土間編)』を書いたのですが、これが意外と好評でした。やっぱり日本の外構、庭をよくしていきたいと思っているガーデンドクター柴ちゃんとしては、言わなくてはいけない事は(言い辛いけど)言わなければなりません!
ショートカットしたいのは人間の性(さが)
今日の内容は簡単です。
『人間は本能的に常にショートカットしたい。設計者はそれを考慮して外構、庭の導線を考えなければならない。』
ずばり、こういう事です。
もちろん全ての場合においてこの考え方を優先させることは出来ないかもしれませんが、考えておかないと、一番上の写真のように、芝生に不具合が出たりします。しかし、出来る設計者であれば、そのあたりの事もしっかりと考えて、ショートカット用の道を用意しておくのも有りだと思います。
こちらのイタリアンのお店はショートカット用の道が用意されていました。お店などの場合では、看板を設置したい場合などもある為、写真の様なアプローチのレイアウトになってしまう事もあるかもしれません。しかし、この場合は間違いなく利用客に、ショートカットの心理が働きますので、ここをガンガン通ります。
私の予想では、ここのショートカット用の石畳みは後で付け足されたと思うのですが、この心配りが大切ですよね。何にも無いと、歩いたら靴は汚れるし、芝生は枯れるし、段差なんかで転んだりもする。設計者は常に使う人の身になって設計をする事が大切です。
こちらもショートカットされて道が出来ています。実はこのフェンスの右端はこの様になっていまして、登れる階段になっているのですが、
やはり間がこれだけあると、いくら階段があるとは言え、ショートカットを選びます。まあ、ここはもともと土の上を歩く設計なのでいくらショートカットしても平気なのですが。
この事を設計者はよく覚えておかなければなりません。無駄にクネクネとRに蛇行したアプローチや、何度もわざとクランクするアプローチなどは最初は見たときのインパクトを作り出しやすかったりもするので、力の無い設計者(主に初心者だと思います。)がやる事が多いですが、先ずは住まう方の使いやすさを考えるのが先です。
どんなに素敵なものでも、使いにくければ絶対に嫌になってしまいます。
外構、お庭の見た目のデザインも重要ですが、本当に出来る設計者と言うのは、機能美を兼ね備えたデザインを作り出します。ガーデンドクター柴ちゃんがお客様からしっかりとお話を聞くのは、そのお話が無いと、その両方を生み出せ無いから。私の書く図面の一本一本の線には全て理由があります。
すみません。何だか今日は堅い話になってしまいましたσ(^_^;)
最初は、『人間はショートカットしたいんだよ!』と言いたかっただけだったんですが、、、
デザインの事となると、熱くなってしまうガーデンドクタードクター柴ちゃんでした(汗)