YKKさんの授賞式にお招きいただいた次の日、親友のS氏に連れてこられたフランク・ロイド・ライト設計の自由学園・明日館。第一回、第二回、第三回と続き、今回で最終回。
今日は、ホールでのくつろぎの一時から外構まで、そして自由と教育とは何か?についても少し考えてみたいと思います。
プラス200円で楽しめるホールでのお茶は格別!
ここで頂くお茶は格別でした!!!
モーニングハンターの異名を持つガーデンドクター柴ちゃんは、ちょっとコーヒーにはうるさいですが、そんなことはこの際どうでもよろしい!(ちゃんと、入れたてのコーヒーか紅茶。また手作りのクッキーかケーキがついてくるんですけどね!)
この空間でお茶をいただくと言う事がどれだけ素晴らしい事か、どうやって伝えればよいか分かりませんが、もう心ウキウキ、ワクワクで上のような顔になってしまうわけです。
(ちょっとこわばっていますが、心底リラックスしております。)
もう、雰囲気ですよね。
ライトの設計した90年前の雰囲気、そして90年間ここにあった事実。
その全てが、心を豊かにしてくれます。
それが、たった200円で味わえるなんて!そこいらのカフェには到底出せない素晴らしさがあります。
近くに住んでたら通い倒すこと間違いない。
一緒に行った相方は・・・
小さいイスにもかかわらず、リラックスモード全開。
何にも考えてなさそうな顔してますが、彼のスーパーコンピューターはマッハで稼動中(のはず)。
自由学園の校庭は芝生とソメイヨシノが象徴的
この自由学園・明日館は基本的に左右対称に設計されています。よってホールを中心として、その脇に会議室や教室などが左右同じく配置されています。なのでここではホール後に続く部屋の紹介はやめにします。
そして、とうとうガーデンドクター柴ちゃんの本業である「外構とお庭」について書ける時間がやってきました。
まずは、芝生。
これが昔は校庭だったのでしょうか?芝生の校庭はいいですよね。
日本の学校は殆どが土のグラウンド。
何で日本は芝生の校庭が極端に少ないのでしょうか?
(これは、よく考えたら大きな問題だな・・・また次の機会に考えます。)
この芝生はこの明日館の見た目を大きく左右する存在です。
こちらの自由学園・明日館はライト建築の代表的なスタイルである『プレーリーハウス(草原様式)』と呼ばれるスタイルです。それは軒高を低く抑えて水平ラインを強調したデザイン。この為に、一般的に外構と呼ばれる部分は殆ど強調するようなデザインはありません。
ここで見えるのは芝生と低い生け垣くらいなもんでしょうか。
しかし、この芝生はプレーリースタイルを強調するのに一役買っているのは間違いありません。
広い芝生があってこそ、この水平ラインが強調される。
そして、この低い生け垣も芝生と建物を繋ぐ役割をしています。
これも、それほど高い生け垣であってはいけません。
何故なら建物の良さを隠してしまうから。
この辺りもちゃんと計算されて作られているのは間違いありません。
しかし、植木の種類については余り関心が無い様で、左右バラバラ。
しかし、それほど違和感はありません。
さすが植物です。
どんな植物でもその空間にぴったり合う。
ライトはそれも見越していたのかもしれませんね。
それに、様々な植物があった方が、季節によって華やぎますし。
そして、もう一つはこの桜。
これが咲いたら、本当に美しいと思います。
この芝生は進入禁止ですから、残念ながらお花見は出来ませんが、ホールから見渡すこの桜。
間違いなく最高でしょう。
凄いですね。どれだけ日本人が桜を好きかしっていたんでしょう。
さすが日本びいきのライト。浮世絵の収集が趣味だった彼は、本当に日本が好きだったんでしょうね。
建築と庭。
世界三大建築家はやはり、外の空間の作りも一流です。
自由と教育
この自由学園・明日館は創始者である羽仁夫妻の教育に対する理念にライトが深く共感して、設計を快諾したと言われています。
その理念とは、『自由な個人の確立と、それらが協力する事による社会の構成』。
この考えを良く表した表現で、『靴を揃えて脱ぐ自由』という話がありました。
靴は、乱暴に脱ぎ散らかしてもいいし、揃えて脱いでもいい。それは選択する人の自由。
でも、乱暴に脱ぎ散らかした靴は、他の人が脱ぐのを妨げるし、見た目も悪く迷惑をかける。
靴を揃えれば、他の人にも迷惑がかからないし、見た目も良い。
自分にとっても皆にとってもより高いレベルの自由を選択する。
共同社会の為に良い方を選ぶ事の出来る自由をこの学園は目指すということのようです。
素晴らしい理念ですね。
なんだか大切な事を教わった気がします。
この理念にライトは共感したんですね。
素敵だ。
実は、柴ちゃんがイギリスで生活していたときに感じたカルチャーショックの一つに『教育』がありました。
私がホームステイでお世話になっていた家の子供達の育て方が本当に凄かった。
まずは朝、馬の世話から始まります。
自分たちの馬の世話を朝一番から始める(3歳の子が朝から馬の世話をしているんです!)。
そして、学校へ出かける用意をして学校へ。
帰って来てからは宿題をさっと済ませて、またすぐに馬の世話と乗馬の練習。
音楽等の習い事はお母さんの担当。
子供達は毎日楽しそうに暮らしていました。
その子達がめちゃめちゃ可愛いんです。
(6年後に成長した二人に会いましたが、全然変わっていない。めちゃくちゃ素直でいい子達でした。)
素直で、よく笑って、時間があれば外で遊ぶ。
ゲーム機なんて全くないし、テレビも全く見ない。
テレビ大好きっ子の柴ちゃんとしては、本当に凄いカルチャーショックでした。
もう、何から何まで日本と全く違う。
しかし、それが自然な事だったんでしょうね。
子供達は当たり前の様に生活していました。
日本は自由な国です。
このようにWEB上で何を発言してもとがめられる事はないし、逮捕される事も無い。
今でもこうして、沢山学ぶ事が出来る。
本当にありがたいとおもいます。
そして、教育も受けられます 。
どんな選択をするかも自由。
こんな幸せな国はありませんね。
でも、イギリスの様な世界があるという事を知らなかったのは本当にショックで、私の教育に関する
考え方は180度くらい変わってしまいました。
しかし、それに触れられた事は本当にラッキーでツイていました。
ガーデンドクター柴ちゃんは今現在、子育て真っ最中ですが、今後どんな風に子供を育てようか、
どんな物を選択するかは子供の自由ですが、環境を与えてあげると言うのも大切ですよね。
でも、日本でどんな環境が与えられるのか・・・
まあ、この辺は本当に難しい問題で、一人では解決できない事でもあります(汗)。
でも、ガーデンドクター柴ちゃん。お庭を造るのは人より上手です。
そのお庭が教育に、そして生活にどれだけ重要かも分かっています。
まずは子供が触れられる庭を作るのが大切かなと思います。
あ、家買わなきゃ・・・
それも、こんなに素敵な家だったら、毎日帰るのが楽しくなる。
本当に良いものに触れる事が出来ました。
フランク・ロイド・ライトとS氏に感謝して、今回はこの辺で締めくくろうかと思います。
YKKさんの授賞式に始まった今回の東京出張は素敵な旅になりました!
感謝です!!!