前回のアメリカ庭視察⑮は21億円の豪邸を見学したところで終わっていましたが、今回はその続きで来たコロナ・デルマーという住宅街のご紹介です。
こちらは、写真のように海に面した場所にあり、抜群の立地が魅力。
前回の豪邸のようにゲートをいくつもクリアしていかなければいけないわけではなく、誰でも来る事が出来ます。
そんな町なのですが、ここは住民の庭に対する意識がとても高い。
それぞれの家が競い合うように素敵なお庭や外構を作っています。
それは、さながらオープンガーデンの様。
オープンガーデンは、最近日本でも兵庫県の三田市や長野県の松本市等で行われていますが、個人の庭を一般の人に公開するイベントの事です。
これは元々、イギリス発祥で、イギリスにいるときに私も体験してきました。その模様はまたイギリス庭紀行でお伝えしますね!
立地は海が見える最高の場所
このコロナ・デルマーで最も注目したいポイントは立地。
崖に建てられた邸宅もありましたが、見学に適しているのは崖の上にある道沿いに建てられた邸宅。
普通、こんな風にオープンになっているところは珍しいですが、それぞれのお家が自分の家に合った楽しみ方をしています。
それを「自由に見てくださいね」と言う感じにしてあるところも凄い(アメリカで勝手に家の庭を見るとかって結構勇気の要る行動かも。泥棒と間違えられたらえらいことです。)。
こんな風に並んでいます。
ポイントとしては、各家全て地盤を上げているということ。
これは宅地造成で決まったことなのかもしれませんが、こうすることで景色は抜群によくなります。
しかし、そのために土留め(土を留めるための壁)を作らなければならないので、そこをどう上手く見せるかを見ていくのも面白いです。
Rを使った土留めとカリフォルニアっぽい色使いの壁
カリフォルニアの乾燥した土っぽい感じと土の色が青い空に合う外構です。
庭メインな感じが伝わってきますね。土留めもアールに仕上げられて面白い。
あ!人がいた!お茶飲んでるわあ。素敵な時間ですね。
注目したいのは土留めの笠木ですね。これは石でしょうか?それともコンクリート?
いずれにせよ、こういうものって日本には余り無いんですよね。
元々Rのものを現場のRにあわせてカットして使っているものだと思うのですが、こういうものが売っていたらありがたいですね。
レンガを使った外構
アメリカの外構ですが、コンクリート大国ですのでコンクリートやコンクリートブロックが多いのかなと思いきや、レンガも多い。
さすがにヨーロッパが源流の国ですね。
ここで注目したいのは階段レンガの蹴上の積み方。
拡大してみると、
えーと、なんて説明したらいいんだろう?レンガのコバを1段積んでから小口を見せて積むスタイルといえば正解かな?
日本では(すくなくとも私は)このように積むのは余り見た事が無いのでとても勉強になりました。
まあ、美しいかどうかはあると思いますが、アメリカンな感じを出そうと思ったら結構有効なつみ方かもしれません。
なぜなら、他の家でも
ほとんど同じつみ方です。これがアメリカンスタンダードなのかな?
ちょっとした違いとしては上の小口を平でなく縦で積んでいるパターンくらいです。
実は外構でも建築でも同じだと思いますが、こういう細かいところのディティールが物凄く大切。
正直レンガの積み方なんて、どこが本物か分かりませんが、アメリカパターンとなったら、これは結構有効かもしれません。
アメリカ庭視察。まだまだ色々ありますね。
早く進まないと、アメリカに行ってから一年経ってしまいますが、このコロナ・デルマーシリーズも結構内容が濃いです。
まだ続きます。お楽しみに!!!