キレイにするだけでは素敵な庭は出来ない場合もある
今、緑区でお庭をつくらせて頂いているK様邸。今回は緑いっぱいのイングリッシュガーデンです。イメージは上にあるガーデンドクター柴ちゃんの手書きのパース。
緑が沢山植えられる様にと管理の楽な花壇を天然石とレンガを使って作成して、その間をこれまた乱形の古レンガを使って路を作って行きます。
今回の場合、レンガの花壇や天然石のサークル花壇は基準からしっかりと寸法やRを出して
美しい曲線になる様に設計をしています。
実はこの辺は現場でエイヤーでやってしまうと奇麗な円やRは殆ど描けません。
そのため、しっかりと基準を決めて作る。
こうしておけば職人さんも間違える事は無いし、もし違っていてもすぐに修正がききます。
こんな感じですね。
まだ作り途中の写真です。
そして、今回のもう一つのポイントは園路に敷いて行く乱形の古レンガ。
これはパースにもある様に一つ一つ形が違うものをつかいますので、その面白さを強調したい素材です。
だから、普通に奇麗に敷いては面白さが出ない。
でも、この辺りって結構難しい所でもあるんです。
一つ一つ形が違うという事は当然CADなんかでは表現し難いし、手書きですら納品される素材の形が分からない上バラバラなので表現に限界があります。
そこで重要になるのが現場管理です。
ガーデンドクター柴ちゃんは今回、この表現をする為に一度現場で
「こんな感じでお願いしますね!」
とレンガを敷き並べておきました。
そして、それを職人さんに確認してもらって、お客様にも確認をしてもらいました。
さあ、これで安心だと思って、また次の日現場に来てみると・・・
あれ?
何か柴ちゃんと並べたのと全然違う・・・
なんか、めっちゃ奇麗になっています。
正直な所、奇麗過ぎて面白みが無い。
これでは、ガーデンドクター柴ちゃんのイメージとまるで違う。
納得できません。
と言う事でやり直し。
もう一度、柴ちゃんが並べ直します。
並べ直したのがこちら!
こちらの方が全体の強弱が付いて、おまけにそれぞれのレンガの形の面白さが強調されていると思いませんか?
これで一安心です。
この辺りの面白さというのは、正直バランスや感覚的な所があると思います。
ガーデンドクター柴ちゃんは厳しかった修業時代に習得した日本庭園の技法や造園技術によるところが大きいのかなと思っています。
直線一辺倒の外構デザインやアルミ素材ばかりを使った庭を作っていてはこの面白さは中々表現できない。やっぱりお庭って面白いですねえ。
そして、今回思ったのはやっぱり現場管理は大切という事。
このまま安心して行かなかったら、そのまま現場が出来てしまっていた訳ですから・・・
あー、良かった!