前回はコンクリートブロックのような重いもので塀を作るのではなく、軽い発泡体で塀が作れるスマートF・ウオールのお話でした。
今回もタイムリーなお話なのですが、コンクリートブロック塀の補強工事のお話です!
そのコンクリートブロック塀は震災が来ても大丈夫ですか?
本日、古いブロック塀の補強工事を行いました。
前日に大阪で大きな地震があったので、皆様今は非常に関心が高いとおもいます。
この際なので、しっかりと調べて行動を起こして欲しいです。
もちろん我々外構を扱う業者もですが、それを注文するお客様も。
コンクリートブロック塀が安全かそうでないかはぱっと見はわかりません。
何故なら構造として重要な鉄筋(人間で言うと骨に当たる部分)が外からは見えないから。
我々の様なプロであれば、ある程度察しがつきます。
ポイントとしては
①その壁の新しさ(経年変化で中の鉄筋が腐っているかも?)
②笠木があるか(笠木があるとブロックの中に水が浸入するのを防ぐ可能性がある)
③すかしブロックが使っていないか(すかしブロックの多くは鉄筋が入らない構造)
④控え壁があるか(1、2m以上の壁は控え壁が必要。あれば、安全性を理解した人が作っている可能性がある)
⑤ブロックの厚みは?
⑥ブロックの高さは?
⑦壊れた部分があるか?
など色々とあるのですが、それぞれに注目すべきポイントがあります。
詳しくは以前紹介した外構CADメーカーさんであるオーセブンさんが発表したブロック塀診断カルテというサイトが非常に有効だと思います。
これを元に自分の家のブロック塀が安全なのかどうか調べてみて頂ければと思います。
今回の現場では古いブロック塀に控え壁がありませんでした。
それに基礎も十分に無い。
事前に調べてみてそのような事が発見されましたので
ダイリンさんのFITパワーで補強をしようという事になりました。
まずは鉄筋チェッカーでどこに鉄筋が入っているのかを調査
まずは鉄筋チェッカーで既存の壁のどこに鉄筋が入っているのかを調査します。
基本的には横筋と呼ばれる横に伸びている鉄筋の場所をよけてフィットパワーを設置しますので、その目安の為にも調査が必要です。
前にも紹介した事がありますが、鉄筋チェッカーはこちらで購入できます。
結構安いな・・・欲しい。
と私の物欲は置いておいて、次に設置する為に設置場所を掘削します。
今回はフィットパワーのLに曲がる部分は完全にコンクリート土間の床の中に入りますので、結構深めに掘削。
こちらのフィットパワー基本的には今回の様に土間の下に入れなくても大丈夫。
土の上でも十分に力を発揮しますので重機での掘削は必要ない場合もありますが、個人的には土工事やっている時に一緒に施工する方が良い気がします。
又その理由は後で説明しますね。
さて、すると、基礎の部分が掘削によってあらわになってきました。
当然基礎があるとフィットパワーが入りません。
よって基礎をハツってこわします。
既存壁の基礎をハツったらフィットパワーが入るかどうか当ててみてどの位置に固定用の穴が来るのかを確かめます。
フィットパワーを固定する為には補強する壁の方と土の部分にそれぞれ穴をあけます。
その位置を出した後、ちゃんとわかる様に印をつけます。
その後、土に穴をあけて行きます。
見ていて一番大変だと思ったのがこの作業でした。
場所にも寄ると思うのですが、今回はかなり硬かった・・・
土質、地層、色々な条件があるので施工するたびにかわると思うのですが、この機械での穴あけ。結構大変です。今回はダイリンさんからお借りした機械でやりました。
というか、これが無いと出来ない。
アメリカンスコップで垂直に穴を掘るという方法もあるのですが、かなり大変そうに思えました。何故なら結構な長さが必要だから。土に入れるものはこれ。
とても軽いですが、硬い棒。グラスファイバーで出来ているそうです。
これは壁に穴をあけてフィットパワーを固定した後で最後に土に入れこみます。
よって、先に壁の方に穴をあけます。これはいつもやっている工事なので、簡単。
ボルトの大きさに穴を揃えてあけるだけ。
でも、大切なのはブロックの空洞部分に穴をあけるという事。鉄筋部分にあなをあけてしまうと、折角ある大切な鉄筋を切断してしまう事になってしまいます。
壁に穴をあけて裏側からボルトを出します。
このとき大切なのが、裏の金具。これも無いと全体的に壁を押さえる事が出来ません。
その金具の上からボルトを入れてフィットパワーを挟んでナットで締めます。
これで壁とフィットパワーの接続が完了。
壁との接続が終わったら次は土に掘った穴へグラスファイバーの棒を入れますが、その前にこの穴に無収縮のモルタルを流し込みます。
これで施工完了です。
今回はこの上にコンクリート土間が載るのでこの部分は埋まってしまいます。
そして、壁との接続部分は最終的にカバーを取り付けて終わり。
また、壁の裏の部分はどうなっているかというと
こんな風にとてもすっきりとおさまっています。
これで一安心です。
この補強一つでかなり時間が稼げると思います。
危ないのは地震が来た瞬間にバタンと塀が倒れる事。
このフィットパワーで補強する事に寄って粘り強くなり、いきなりバタンを防止できます。
このタイミングで施工を行った事。やっぱり何かあるのかもしれません。
大阪の震災で犠牲になった方には心よりお悔やみ申し上げます。
もうこの日本で、いや世界でコンクリートブロック塀に夜被害がでない事を当たり前にする。
これが我々外構業者の当たり前の事になる様にこれからも頑張って行きたいと改めて気合いが入りました。
また、近いうちにもう一件フィットパワーによる補強工事をさせて頂く事になっています。
我々もスキルを高めます。お困りの方はお客様でも同業者の方でもよいので、ご相談下さい。