静岡県 K様から頂いた質問メール「なぜインターロッキングを使わない?」
おお、なんとうれしいメッセージでしょうか!!!
スクリーンショットしてみましたが、ちょっと見難いですね・・・
原文を以下に載せます。
相談内容: その他
メッセージ: 時々柴垣グリーンテックのサイトを見せていただき参考にさせていただいています。
以前我が家のカーポートを1台分から2台分に作り直そうと考えていましたが、家の雰囲気がぶち壊しになりそうで、迷っていたことがありましたが、柴垣さんがお書きになった記事で、クライアントが2台分を所望していたにも関わらず”私のたっての願いで1台分にしていただきました。”というものを見かけ、我が意を得たりという気持ちになりました。いまだに我が家のカーポートは1台分です(車は2台所有ですが特に大きな問題はありません)。
今回、我が家でお客様の駐車スペースを確保する必要があり、前々から関心があった芝生の駐車場に挑戦しようと思いましたが、ネット上ではよいことのみ書いてあるサイトばかりで、なかなか客観的に評価してくれるサイトがなく困っていました。そんな時、”あっそうだ”と思い、”柴ちゃん”を検索キーに入れ、調べなおしたところ、非常にいい記事に遭遇しました(緑化パーキングは家庭の外構で使える?①アリかナシか施工例写真から考える 2015-8-23)。やっぱり緑化パーキングはまだ問題がありますね。
ところで(本題はここですが)、柴ちゃんのサイトではインターロッキングの駐車場を全く(?)見かけないのが不思議です。デザイン的にもいいと思うのですがなぜでしょうか。
(お仕事につながる話ではなくすみません。)
以前からこのブログを読んでくださっていて、参考にしていただいてる!!!
本当にうれしい限りです。
カーポートの件はこちらのブログですね。確かに、お客様には2台分を我慢して1台分にしてもらいました。
本当に、デザイナーとしては緑化パーキングもいつか使ってみたいのですがね・・・・
そして、今回頂いた質問はインターロッキングブロックについて。
施工例を見ていただいて、私のデザインにインターロッキングブロックがないのに気が付いていただいた!!!そこまで分析して頂けるとは設計者冥利に尽きます。
すごい!本当にうれしいですね!!!
柴垣はインターロッキングブロックを駐車場に使いません
> ところで(本題はここですが)、柴ちゃんのサイトではインターロッキングの駐車場を全く(?)見かけないのが不思議です。デザイン的にもいいと思うのですがなぜでしょうか。
確かに、デザインはいいですよね。
色も付けられるし、雰囲気もデザインによってはコンクリートよりは上がるかもしれません。
また、最近はインターロッキングでも自然な雰囲気を出せるものも出てきました。
こちらはユニソンのアッピアというインターロッキングブロックです。
非常に良い質感を出していると思います。
お客様によっては、これがコンクリートでできていることに気が付かれない方もいらっしゃるくらい。最近のものは品質が良くなっています。
では、なぜ私が使わないか?
その理由は、駐車場としての耐久性と値段にあります。
まずは、添付の写真をご覧ください。上のアッピアというインターロッキングブロックの標準施工断面図です。
次はラダムというインターロッキングブロックの標準施工断面図です。
断面の違いを見てもらうと、コンクリートが挟んであるか無いかの違いがあると思います。
ここが重要です。
ラダムというインターロッキングは比較的古いものだと思うのですが、この施工図にコンクリートはありません。
これが昔からのいわゆるインターロッキングブロックの施工方法で、下に敷く砕石から砂まで化学的に固めることが無い工法です。
この工法のメリットは、コンクリートを使わないので施工が非常に速くできるということ。
昔は弊社でも三井ホームさんの下請けをさせていただいていた頃、工期がない現場で使ったりしたことがありました。
また、コンクリートを使わないので値段もわりと安いです。
それに比べてアッピアというインターロッキングの断面図にはコンクリートがあります。
それも厚さが10cmもあります。さらに言うと、その下に敷く砕石も15cmとかなり分厚い。
アッピアは2,3年前(もしかしたらもっと前かも・・・記憶が曖昧)に出た新しい商品だと思いますが、ここまで施工方法が違うのは何故でしょうか?
この二つの製品の厚みは二つとも6cmです。
実は、昔ながらのコンクリートで固めない方法で作るインターロッキング敷きは年月が経ってくるとガタガタになってきます。
その理由は、施工法にあります。やはり、固めることが無い施工法では時間とともに不具合が出てくる。
これを知っているので、私は選ばないのです。
これを避けるためにはやはり、コンクリートを打たなければなりません。
そうなると、新しいインターロッキングと同じ工法になります。
新しいインターロッキングの工法では砕石15cm、コンクリート10cm、あとから練りモルタルとインターロッキング本体で実に34cmも掘らなければなりません。
これだと土を掘って捨てる工事の代金が嵩むのと、コンクリートを打たなければならないのと、インターロッキングの代金とインターロッキングを敷いていく代金で、普通のコンクリート土間を打つ代金の2から3倍はかかりそうですよね。
果たして、コンクリート製品を敷き詰めるのにそこまでお金をかける必要があるのか?
こうなると、デザイナーとしてはNOになってしまいます。
それだけのお金があれば、もっと他のところに力を入れてデザインしたほうが全体的に美しいものが作れる気がするからです。
そもそも、車が停まってしまうと駐車場の大部分が見えなくなってしまいますし、インターロッキングもコンクリート。
普通のコンクリートと突き詰めれば同じ。
もちろん私も、床でデザインを見せたい場合は何かを貼ることもありますが、その場合は天然石を使います。
やはり、天然石は劣化も少ないし、リサイクルして長い間使えます。
もちろん、コンクリートを使わない方法で施工標準を守って施工して、不具合が出なければよいですが、
出た場合はお客様にご迷惑がかかります。
その場合、メーカー標準を守っていると言い張ることもできますが、それはお客様に迷惑をかけるだけです。
このように考えると、私はインターロッキングを使えない。インターロッキング恐怖症になってしまうというわけです。
以上がガーデンドクター柴ちゃんがインターロッキングブロックの駐車場を作らない理由です。
K様本当にご質問いただきましてありがとうございました。
日本のどこかのインターロッキングに困った人のお役に立てましたでしょうか!?
K様以外の方々も、もしガーデンドクター柴ちゃんにきいてみたい質問があればどしどしご質問ください。
あと、K様!!!
柴垣グリーンテックではでは静岡の施工はできませんが、今の時代ご相談はズーム等のリモートでもお受けできます!
浜松であれば信頼できる同業者もおりますので、ぜひご相談お待ちしております(笑)
また、日本全国ガーデンドクター柴ちゃんネットワークありますので、お庭にお困りの方はぜひご相談くださいね!!!