植木を移植するのに必要な「根巻」
植木は移植をする際に土から移動するため、掘り上げる必要があります。
その際大切なのが、掘り上げた木の根っこを土ごと上手に移動するという事。
その為、木の根を含んだ根鉢の部分を上手に養生することが大切。
これを「根巻」と呼んでいます。
私も職人だった当時は、ひたすら巻いて巻いて巻きまくっていましたが、最近はデスクワークが増えて中々木を掘ることも減りました。しかし、昨日お客様のお家で不要になった植木を根巻する機会を得ましたので簡単に5分で根巻に挑戦してみました。
まずは木を掘り上げます。
今回は小さい植木で根の状態もよかったので掘ってからそのまま持ち上げることができました。植木の大きさや根鉢の状態によってはこうしたやり方ができないときがあるので、今回の方法はそれほど大きくない場合にのみ有効です。
大きさは、大体これくらい。
最初は大きく掘り取って、その後土を削りながら鉢を小さくしていきます。
鉢を小さくしていくと、だんだんと根っこが出てきます。
この根っこが出すぎないのが一番重要です。
そして出てきた根っこは鋭利なはさみで切り取る。
鋭利な刃物で切り取ることで、次の発根がしやすくなります。
この辺りは加減ですね。10回くらいやればわかるかな(笑)。
根巻をするのに必要な道具
まず大切なのが、根巻に必要な道具です。
①緑化テープ(三角の布)
②麻縄(荷造り紐)
この二つです。
緑化テープも麻縄もどちらも天然素材ですので、根鉢を巻いた後そのまま植えても問題なし。
そのうち腐って土になります。
そういえばイギリスにいた時に同僚にこの話をした時「非常にクレバーだ」と褒められた。
海外にはこうした自然に腐るもので根鉢を巻くという習慣はなかったようです。少なくともイギリスには。
基本的に海外では掘り取ったものは移動用の植木鉢に入れて運びます。
きっと日本の植木市場にイギリス人が来たらトラックに。んである植木の量を見て驚くだろうなあ。あれはまさしく「アメージング」。皆さんも機会があったら見てください。日本を縦断していく植木屋さんのトラックの中身。すごいですよあれ。
話はそれましたが、道具です。
アマゾンにも売っていました。
今回はこの三角の緑化テープを職人さんにもらったのですが、これ便利だわあ。
私の時代はこの三角が無かったので、帯状の長いものを巻いていたのですが、三角であることでオシメ状に巻くことができます。
最初に半分かぶせてもう半分をかぶせる。すると下の部分だけが余るのでそれをオシメみたいに当てる。
こうすればできるのですが、よく考えたら一番最初にオシメ当てた方がいいな。
そのあと、両サイドからかぶせた方がいい。
すみません、なんせこの三角タイプでは初めてなんで。
実はここからが重要。
この緑化テープを麻ひもで縛りあげるのです。
結局はここがちゃんとできれば緑化テープの巻き方はそれほど重要でありません。
幹の一本に麻ひもを巻き付ける
まず最初に紐の最初を幹の一つに結び付けます。
これ、簡単にするための方法なので植木屋さんに言わせるとちょっと邪道かもしれません。
私も、お客様用に荷造りするときはこれはやってませんでした。
でも、家でやる分には全然大丈夫です。
最初に紐を巻き付けておけば後はこの根っこをぐるぐる巻いていけばいい。大切なのは圧をかけながらしっかり全体的に巻いていくこと。
そして、最後は最初に縛り付けた幹に同じように紐を縛る。
こうすれば完了です。
簡単根巻の方法でした!