ドライストーンウオーリングで重要な役割をするカバーバンド
今日はドライストーンウオーリング石積みのお話です。
モルタルや接着剤を使わずに積んでいく、イギリスの伝統的な石積みの方法です。
もちろん、モルタルを使って積んでいく方法でもよいのですが、見た目が全然違います。
それに、モルタルを使う方法だと材料である石にモルタルがくっついてしまいます。
私も修業時代に石積みをするときはできるだけモルタルを使わずに積んだ方が再利用できると叩き込まれましたので、出来ればあまり使いたくない。
でも、モルタルを使わないと石積みにかなり時間がかかります。
逆に言うと、モルタルを使えば多少石積み自体の積み方に問題があっても積めてしまうという事。
問題というのは、力の逃がし方や石の嚙み合わせ方。
これがうまくいっている石積みというのは、それ自体で強度が出るので地震があった時にも強い。
日本庭園の石張り方法で忌み嫌われている「四ツ目地」はルーツが石積みで、目地が四つあると力が逃げてしまいそこから崩れやすくなる。その為、日本庭園では四ツ目字が禁止され、石張りにまで波及してきた。
しかし、モルタルなどの接着物があるとこの力の逃がし方がいい加減でもモルタルが固まってカバーしてくれるので問題にならないのですが、いざ地震などで力がかかるとその部分が割れます。
すると石積み自体が崩れてしまう。
こうなることが根本的にないように積むのがドライストーンウオーリング。
なんせ、モルタル一切使わないのでちゃんと積まないと崩れてしまいます。
私のドライストーンウオーリングは日本一の神谷さんにやってもらうので、安心安全。
自分でやってみてわかったのですが、やっぱりすごい技術です。
そんな神谷造園さんに教えてもらったのですが、このドライストーンウオーリングにも重要な役割をする石があるそうです。
それが今回ご紹介する「カバーバンド」です。
赤く囲った部分の石です。
これがかなり重要で、神谷さんの石積みを見ていると
「お、これはカバーバンドに使える」
と石をよけていらっしゃいます。
私の予想だと、大きめの一枚石で頭を押さえる。これが重要。
石積みの幅でドーンとおかなければいけないとなると、大きさが必要。
石はもちろんたくさんあるのですが、大きい石となると全体の中、数は少なくなります。
石は輸入物の場合このようなトン袋に入れられて運ばれます。
この中には大小さまざまな大きさの石が入っているので、その中でより分けます。
このような太くて大きな石。
これを石積みの一番上にカバーバンドとして据えるわけです。
一番上に一番重い石を乗せることによって安定させるんですね。
しかし、石積みは最後の最後がむつかしい気がする。
正直自分でやるとなると気が遠くなるな・・・
やっぱり神谷さんすげえや!!!
素晴らしい方に工事して頂けて本当に幸せです。
以上、今日も良いブログが書けました!皆様のお陰です。ありがとうございました!!!