玄関ポーチとアプローチタイルも下地作りが大切
以前、【上志段味で外構を作る⑨】玄関ポーチのタイルとアプローチタイル合わせた方がいい?というブログを書かせていただきました。
今日はその玄関タイルのお話の続き。
実際に職人さんたちがどのようにタイルを貼っていくのかを見ていきましょう。
タイルを貼っていくのに重要なのはその下地作り。
下地をしっかりと作ることが何よりも重要です。
こちらの写真をご覧いただくと、下地の全貌がわかると思います。
まずは、大方の高さまで床面を上げていきます。
これはブロックやコンクリートなどで高さを出すことがほとんどだと思います。
ここは階段を上がりきったところにある平場で最後の階段的意味がありますので、高さは階段の段差と同じ高さ。
これをブロックで上げていって、最後は下地に勾配をしっかりとつける為、木の型枠を当て勾配を調整した後、バサモルタルにて下地を完成させます。
この下地にタイルを貼っていきます。
私の家では500角のタイルを使いました。
タイルは名古屋モザイクのネオストン。
こちらの平場の広さは1500mm角で作りました。
アプローチは一般的に1200mm程度あれば十分な広さがありますが、ここは1500でたっぷりと余裕をもってデザインをしています。
デザインの理由は階段から続いてくる部分であるという事と、階段を上がりきった踊り場的意味があるという事でゆったりと安全に贅沢な空間にするためです。
一般的に住宅の玄関アプローチなどは300角のタイルを使うことが多いですが、300角だとタイルが5枚必要です。
そこが、500角だと3枚。
タイルは基本的に目地をつけて貼っていきます。
当たり前の話ですが、タイルの数が多いほど目地がたくさんできます。
これが外部空間だと、汚れとの戦いとなります。
私も作ってみて、やっぱり大判のタイルの方がお手入れ手間は少ないし、ゴージャスに見える。海外では大判タイルの流行が顕著ですが、日本にもその流れはやってきていますね。
ちょっと話が脱線しました。
タイル下地です。
こちらは玄関アプローチの下地写真です。
この下にはコンクリートの床があるのですが、ここにバサモルタルを敷いて乾燥させた後、タイルを貼っていくための目印となる線をつけています。
これは墨ツボやチョークラインという専用の道具を使います。
墨ツボは墨やインク。
チョークラインはチョークの粉で線を引いていきますのでそれぞれ特性が出ます。
墨やインクは一度ついたら落ちにくい。チョークは粉なので踏んだ時などに線がぼけやすい。
それぞれ一長一短がありますね。
今はレーザー墨出し機なるものまであります。
これは床面にレーザービームで線を出すもので、下地に物理的な跡はつきません。
非常に便利なのですが、直射日光のもとでは見難いので、家の中などで大工さんが結構使っていますが、外ではあまり使わないかも。
こうした方法で墨を打った後、タイルを貼りつけていきます。
職人さんが下地の上にタイルを貼りつけるための「のろ」を塗っているところです。
「のろ」とはセメントペーストの事で、セメントを水で溶いたものです。
これをバサモルタルの上に塗り、タイルと下地に隙間が出来ないようにしっかりとゴムハンマーなどでたたきながら貼っていきます。
ここでしっかりと施工ができないと、タイルと下地の間に「浮き」と呼ばれる部分ができますので、踏んだ時に乾いたような軽い音がしたりします。
また、浮きがあるとタイルもはがれやすくなったり目地が割れてきたりします。
すごくきれいに貼ってくれました。
これはやっぱりプロの仕上げ。
私は造園の修業をしただけなのでタイルを貼ることはできません。
これだけ美しく仕上げるのは相当の技術が必要になる。
ありがたい。感謝しかありません!!!