ガーデンデザイナーの欲しかったメインのお庭とは?
これまでは外構のお話を中心に進めてきた自宅を作るお話ですが、今回はお庭のお話です。
外構は基本的に、無いと生活をするのに結構困ります。
駐車場。無いと車の出入りが大変ですね。
表札。無いと家がわかりませんね。
ポスト。無いと郵便物が受け取れませんね。
インターホン。無いと誰が来てもわかりませんね。
この様に生活に必要な物である外構はエクステリアとも呼ばれていますが、広義の意味で行くと庭もエクステリアの一部。
でも、基本的にお庭が無くても生活はできます。
しかし、土地の条件によっては外構部分が庭になっていたりもするので、庭も外構もごちゃまぜの計画も存在します。
なので、厳密にエクステリアとガーデンを分けることは難しいし、分ける必要も本来はない。
ですが、造園と外構ではまた知識が違ったりしますので分けることもあります。
何が言いたいかよくわからなくなってきましたが、とにかく家の外はエクステリアと呼ばれる部分です。
私の家の場合、メインの庭は外構部分とは全く違う場所にあります。
そして、多くの方々の家の庭ともかなり違っている。
私の家のメインのお庭は2階にあります。
これまでも、【上志段味で外構を作る③】ガーデンデザイナーが土地の購入を決める時に気をつけたポイント!外構計画はこの時から始まっている!でお話していましたが、私が欲しかったのは景色。
池沿いのずっと変わらない景色の中で暮らすことが私の望んだお庭の形でした。
いわゆる「借景」を楽しむ庭です。
写真でわかるように、2階の居間の前は大きなベランダになっていて、その向こうには池。
そしてその先には名古屋市で一番高い山である「東谷山」が見えます。
そうです、私が作らせてもらった「ふるさと名古屋レモン園」があるあの東谷山フルーツパークがある山です。
私は家の中からこの景色を見ながら庭に出て暮らしたかったのです。
まだ、この写真ではベランダには何もできていませんが、ここにお庭を作りました。
私は長い間、この「お庭を作る」という仕事をさせてもらっておりますが、ずっと作ってきたなかでも「これは作れないなあ」というのが借景。
文字通り「景色を借りる」わけで、その景色は世界の誕生とともにそこにあるものかもしれない。
私の作る庭の幾つかもそんな風に長年地球にあってくれるとよいなと思っていますが、自宅の庭に欲しいものはそんな景色なのでした。
自分で作れないものが欲しくなったわけです。
それは、もちろんイギリスでの暮らしも影響していたのかもしれないし、ここ地元の上志段味を選んだのも子供の頃の影響かもしれない。
私の奥さんにはこの感覚は家ができるまで伝わりませんでしたが、出来てやっと伝わった。
ああ、よかった。
この先のお話はまた次の回でお話しますね!